毎年行われるこの学会には国内、国外の美容医療に携わるドクターが集まります。
そしてそれぞれが持つ知恵と実績を発表し、学び、議論し合い、交流を深め、さらに美容外科医療の発展のために歩んでいこうと決意を新たにする貴重な時間を過ごします。
また、過去にない発表を聞くことができる機会でもあります。
今回、私は、学会事務局から「眼瞼」担当の座長を依頼され、「眼瞼下垂手術のひと工夫」という演題で発表を行いました。
眼瞼下垂の手術には瞼(まぶた)の表の皮膚側から切開する経皮法と、瞼の裏の結膜側から手術を行う経結膜法があります。
当ブログでは幾度かご紹介している眼瞼下垂の手術方法ですが、当院で行っている眼瞼挙筋短縮法(眼瞼挙筋オーバーラップ法)は、20年前に私が開発したオリジナルの手術方法で、少しずつ改良を加えながら完成させたものです。
皮膚の重瞼ライン上を切開後、眼瞼挙筋を切除せずにミュラー筋のみを短縮する方法です。
この新しい方法と改良は、眼瞼下垂の手術を年間約300件以上、累計で10,000件以上の症例を持つ当院だからこそできたといえます。
講演は、2日目の朝の9時からという開始時間の早さにもかかわらず、200人は入ることができる部屋にドクターが次々と訪れ、終わってみると満杯になっていました。
説明のあとの質疑応答、議論の時間では演者である私があらかじめ参加しているドクターの得意分野を把握しておき、逆に質問をして盛り上げました。
私が1番驚いたのは、議論の時間が終わったあとに個人的に私をつかまえて質問を投げかけてくるドクターが多かったことと、質問の内容がほぼ同じだったことです。
私は、発表の際、手術中の様子を撮影した動画を流しながら説明を行いました。
動画には手術中の様子がとても大きく映っていたのですが、「手際がよく、早すぎて、なにをどうやって患者がこんなに腫れもなく、きれいに瞳を開ける段階にまで手術がすすんでいるのか分からなかった、どうやって手術したのか?」という事でした。
結局、講演のあとにも発表と同じ内容を何度もドクターたちに説明することになりましたが、私の術式にたくさんのドクターが興味を示したことがとても誇らしく、嬉しく思いました。
ちなみに、その後、学会事務局からも来年また講演をしてほしい、今回の論文も提出してほしいと依頼が入りましたが、そこは私もスケジュールを合わせたいと考えているところです。
学会のもうひとつの楽しみに、ランチョンセミナーがあります。
豪華な昼食をいただきながら「その道」の第一人者の話が聞ける、またとない機会です。
夜の親睦会も立食パーティで和気あいあいとドクターたちとの会話を楽しみました。
(左から、湘南美容クリニック 相川先生、ノエルクリニック 保志名先生、私、大阪大学 高田先生、くらた医院 倉田先生)
(元コムロ美容外科医療次長で現在は、ヴェリテクリニック総院長 福田先生と)
この学会は、国内の美容医療のドクターにとっては年に1度の祭典のようなものです。
そのような素晴らしい場で発表し、多くのドクターからの反響を得たことは、私にとっても力になりました。
今後も患者さまのためにその力を使っていこうと、気持ちを新たにしました。