2007年07月31日

肌の細胞が若返る「ACR療法」(3)

ACR療法が最大の効果を発揮するためには
治療を施すドクターのテクニックが重要になります。
そしてそのテクニックには、大きく3つのポイントがあります。

まず第1のポイントは、血小板液を注入する際に
“真皮部分に確実に注入する”ことです。

皮膚は、表皮、真皮、脂肪層の3層で構成されているのですが
お肌のハリは、真皮の細胞が活性化することでもたらされます。
そのためこの部分に血小板液を注入する必要があるのです。

皮膚を外側からよく見ると、
細い血管が内側にたくさんあることがわかります。
これを血管の“走行”といい、脂肪層に含まれています。
実際に注入する時には、この走行が見えるところまで針を刺し
針を引き抜きながら血小板液を注入していきます。
この加減を正確に行えるかどうかが、まず重要です。
特に下まぶたは皮膚が薄いので、
的確に真皮部分を見極めるチカラと
細やかな手先の動きが求められます。

ACR療法の機材を提供してくださる
会社の営業の方によれば
真皮の下に注入する皮下注射でも
十分に効果があるということですが
私の見解としては、真皮内に注射する方が
効果が高いと感じています。

第2のポイントは、均等に注入することです。

たとえば下まぶたと目尻に血小板液を注入する場合
注射器1本分を20〜30ヶ所に分けて打つことになります。
シワの状態によっても若干の加減は行うのですが
基本的には均等になるように注入しなければなりません。
注射器1本で1ccなので、1ヶ所あたり
0.03〜0.05ccという、細かい作業になります。

血小板を均等に注入するには、
遠心分離した血液を注射器に取り出すときにも
細心の注意が必要です。
遠心分離した血液は複数の層に分かれており
その中から血小板がたくさん含まれる層を選んで
注射器に取り出していくのですが
ひとつの層の中でも血小板の濃淡があるのです。
最初の1本目は血小板の濃度が濃いのに
4本目は濃度が薄い、といったことになると
たとえ血小板液を均等に注入したとしても
血小板の数にばらつきが生じてしまいます。

そして第3のポイントは、スピードです。

「肌の細胞が若返る「ACR療法」(1)」で説明したように
血小板には血液を凝固させる働きがあります。
遠心分離器で取り出した血小板液も
しばらくすると注射器の中で固まり始めてしまいます。
固まり始めるまでの時間を“出血凝固時間”といい
これには個人差があるのですが、
基本的には15分程度の時間で、
注入作業を完了させる必要があります。

もし4本分すべて使い切るのであれば、
約100ヶ所の注入を15分で終わらせるのですから
1ヶ所あたり9秒しかないということになります。
ACR療法とはまさに、時間との戦いなのです。

施術のスピードは、ドクターの手先の器用さや
過去の経験、段取り力などで左右されます。
ちなみに私自身は、2〜3分で1本分の注入を終えます。
4本すべての注入も十分に余裕をもって行えます。

出血凝固時間には個人差があると書きましたが
凝固が起こりにくい方がいいというわけではありません。
実際にACR療法を行ってみると、血が凝固しやすい人ほど、
施術の効果が大きいような気がします。
おそらく凝固しやすい血小板ほど機能が活発なので
より多くの成長因子を作り出せるのではないでしょうか。

さて、ACR療法の効果を引き出す条件を3つ挙げましたが
最後にもうひとつだけ述べておきたいと思います。

ACR療法は、これ単独でみても
画期的なアンチエイジング手法だと思うのですが
他の施術と組み合わせることで、
さらに大きな効果が得られるのです。

たとえば、レーザーを使った
“スキンタイトニング(ST)”という施術があるのですが
ACR療法を行う直前にこのSTを行うことで
施術直後のこわばり感が少なくなることがわかっています。
STは真皮層にコラーゲンを作り出す効果があるのですが
このコラーゲンが何らかの働きをしているようなのです。

また他の施術の効果を高める方法として
ACR療法を活用することも考えられます。

たとえば、まぶたをふっくらとさせたり、
お顔の輪郭を整える施術として
“脂肪注入”という方法があるのですが
「韓国「Mediforman」訪問記(2)」で述べたように
注入された脂肪はまわりの組織に吸収され
最終的には注入量の20〜30%しか残りません。
でも脂肪注入の際に血小板液を一緒に入れておくと
注入脂肪の残存率が高くなります。

このようにACR療法は、単独で使うだけではなく、
組み合わせて使えるという魅力もあります。
おそらくACR療法は、アンチエイジングの方法として
今後とても重要な柱になると思います。
ぜひそのポテンシャルをご理解いただいた上で
最大の効果を引き出していただきたいと思います。

posted by コムロ美容外科 at 16:00 | 若返り(しわ、たるみ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする