2008年02月05日

米国で広がる総合ホルモン補充療法

前回、成長ホルモン分泌のコントロールが
アンチエイジングの基本であると述べました。
しかし成長ホルモンは、老化を防ぐだけではなく
病気を予防する力も持っています。
ここ数年、米国では予防医療の観点から
成長ホルモンを活用する療法が広がっています。

なぜ成長ホルモンが予防医療に活用できるのか。
それは成長ホルモンが不足した時に
どのような病気になりやすいのかを知れば
すぐに理解できると思います。

成長ホルモンが分泌不全になると
身体の中で様々な問題が発生します。

まずコレステロールが増大し、
動脈硬化のリスクが増大します。
そもそも成長ホルモンには、脂肪の分解や
血中コレステロールを低下させる働きがあるのです。
心臓の機能も低下しやすくなり
心筋梗塞や狭心症になる危険性も高まります。

また成長ホルモンが不足すると、
インスリンの働きも悪くなります。
インスリンの働きが悪くなれば
血糖値が下がりにくくなり、
最終的に糖尿病へとつながっていきます。

さらに、脂肪の分解が悪くなるので
体脂肪が増加し、肥満しやすくなります。
その一方で骨が弱くなったり
筋肉量が低下するという現象も起こります。
つまり“虚弱な肥満体”になっていくわけです。

成長ホルモンの分泌量をコントロールできれば
このような病気を未然に防ぐことができます。
ホルモン量をコントロールする方法としては
前回お話ししたTDTを利用する方法の他
ホルモンそのものを投与して“補充”する
という方法があります。

ホルモン補充を行う療法は
実は以前からも存在していました。
例えば米国では20年以上前から
閉経後女性に対して女性ホルモンを補充する
「女性ホルモン補充療法」
というものがありました。
ただこの方法は、米国での対照試験の結果、
乳ガンや心筋梗塞、脳卒中のリスクが
高まることがわかっています。
そのためすでに「女性ホルモン補充療法」は
米国では10年ほど前から下火になっています。

しかし日本では逆に10年ほど前から
この療法が普及し始めているようです。
例えば私は今から7年ほど前
日本内分泌学会に出席したことがあるのですが
この時、更年期障害を治療する方法として
「女性ホルモン補充療法」が
取り上げられていました。
私はこの話を聞いたときに
強い違和感を感じたことを憶えています。
前述の通り、米国ではこの頃には
「女性ホルモン補充療法」のリスクが指摘され
否定的な見方が一般的だったからです。

アンチエイジングや予防医療に関する研究では
米国は日本の20年先を走っています。
その米国でいま主流になっているのが
「総合ホルモン補充療法」です。

これは、成長ホルモンをベースに
体内で不足しているホルモンを複数組み合わせて
補充していくというものです。
例えば女性ホルモンを補充する場合でも
これを単独で補充するのではなく
成長ホルモンとセットで補充していきます。
先ほど「女性ホルモン補充療法」には
乳ガンや心筋梗塞、脳卒中のリスクがある
という話をしましたが
実は子宮ガンのリスクも高まります。
しかし成長ホルモンと一緒に補充することで
このようなリスクを回避できる上、
動脈硬化や糖尿病の予防も可能になるのです。

ただ日本ではひとつ大きな問題があります。
実は予防医療を目的とした場合
成長ホルモンを保険診療の範囲内で
使うことが認められていないのです。
成長ホルモンを保険診療として使えるのは
日本では小人症の治療だけです。
そのため国内での成長ホルモン生産量が少なく
コストのかかるものになっています。

これに対して米国では、
アンチエイジングや予防医療で
成長ホルモンを使うことが一般的になっています。
そのため成長ホルモンの生産量も多く
その入手コストも日本に比べると
1/10〜1/20程度ですんでしまいます。

このような問題を解消していくには
より多くの方がアンチエイジングに目を向け
成長ホルモンの活用を広げていく必要があります。
そうなれば国内でも安価に
成長ホルモンを使えるようになり
さらに多くの方がアンチエイジングの恩恵を
受けられるのではないかと思うのです。



posted by コムロ美容外科 at 14:20 | 美容点滴・注射 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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