2008年02月12日

老化を加速するフリーラジカル

前回アンチエイジングの方法として
総合ホルモン補充療法を紹介しましたが
老化に関係するのはホルモンだけではありません。
今回はもうひとつの重要要素である
フリーラジカル(活性酸素)を取りあげます。

老化の原因のひとつはホルモン分泌の低下ですが
有害物質の蓄積も、大きな要因になっています。
有害物質は体内の細胞や分子の機能を阻害しますが
なかでも強力なものがフリーラジカルです。
フリーラジカルは遺伝子レベルで障害を及ぼし
細胞膜を破壊する危険性もあります。
このような作用の結果、老化を促進するのです。

それではフリーラジカルとは、
いったいどのようなものなのか。
実は酸素原子のひとつの形態なのです。
私たちの呼吸に欠かせない、あの酸素です。

酸素原子は原子核の周りに8つの電子が存在します。
この8つの電子はマイナスの電荷を持ち
原子核のプラスの電荷と釣り合いを取っています。
しかし酸素原子は常に釣り合いの取れた状態に
あるわけではありません。
酸素原子は様々な理由で電子を失うことがあり
その結果、電荷のバランスが崩れます。
これがフリーラジカルの正体です。

フリーラジカルは普通の酸素原子とは異なり、
極めて反応性が高いという特徴を持っています。
電荷バランスの崩れたフリーラジカルは
安定した状態に戻るために、
外部から「電子を奪う」必要があります。
この「電子を奪う」作用によって
体内で有害な化学反応を起こすのです。

フリーラジカルが生み出される原因は
多岐にわたります。
まず紫外線や放射線、大気汚染、たばこの煙など
環境的な要因で生み出されるケースがあります。
また食物代謝などの身体機能や
免疫系の活動で生み出されることもあります。
私たちは常にフリーラジカルにさらされながら
日々の生活を送っているのです。

しかし若い頃には、フリーラジカルのリスクが
表面に現れることはほとんどありません。
成人期初期に入るまでの発達期間には、
身体が完全なホメオスタシスの状態にあり
体内の状態を一定に保つ力が強いからです。
フリーラジカルを安定化させる分子も
体内に豊富に存在しており、
フリーラジカルが発生してもすぐに
安定化されるようになっています。
このような分子は抗酸化物質と呼ばれており
ビタミンCやビタミンE、グルタチオン、
メラトニン、セレンなどが知られています。

しかし加齢によってホメオスタシスが衰退すると
抗酸化物質の生成や蓄積が減少していきます。
そのため体内のフリーラジカルの量が
抗酸化物質の蓄積量を上回る結果となり
「酸化ストレス」の状態に至ります。
このような状態になるとフリーラジカルは
細胞を構成する分子と結合するようになります。
つまり細胞膜やDNA分子と結合し
細胞の働きを阻害する危険性が高まるのです。

細胞が正常に働けなくなれば
最終的には細胞死に至ります。
そしてこのような反応がどんどん進んでいくと
体内組織の修復が手遅れになっていき
健康に害を及ぼすようになります。
このような変化は「不可逆的」であり
いったん進むと元には戻りません。

それではフリーラジカルのリスクを回避するには
いったいどうしたらいいのでしょうか。
その答えは「適切な抗酸化物質の摂取」です。
抗酸化物質の体内濃度は、成人期初期を過ぎると
次第に低下していきます。
そこでこの低下を補うように
ビタミンCやビタミンEといった
抗酸化物質を摂取するのです。
幸いなことに、ほとんどの抗酸化物質は
腸管から吸収されるため
食事と同じように口から摂取可能です。

ただし、どのような抗酸化物質が有効なのかは
個人差があることがわかっています。
そのためアンチエイジングの専門家は
酸化ストレスを「マーカー」でチェックすることで
抗酸化療法の有効性を評価しながら
最適な抗酸化物質の種類と量を決定します。

抗酸化療法は総合ホルモン補充療法と並んで
アンチエイジングの重要な手法です。
これらの療法を適切に行うことで、
老化を防止できるだけではなく
健康増進や生命力の強化、
生活の質の向上といった効果も期待できるのです。

posted by コムロ美容外科 at 14:24 | アンチエイジング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする