2009年01月27日

ワキガ・多汗症 Q&A

 今回のテーマはワキガと多汗症です。ワキガや多汗症の治療については、一昨年6月に「ワキガ治療のはなし」で紹介しています。しかし今でも質問をいただくことが少なくないので、これまでいただいた質問の中でも比較的頻度の多いものに対して、お答えしておきたいと思います。

質問1
そもそもワキガってどういうものなのですか?

 ワキガというのは、腋の下から特有の悪臭を放つ状態をいいます。脇の下には3種類の分泌腺があり、これらの分泌腺から出てくる分泌液が相互に作用することで、悪臭が発生するのです。
  それでは具体的に、どのようなメカニズムで悪臭が発生するのでしょうか。まずは腋の下の分泌腺に、どのようなものがあるのかを理解しておきましょう。腋の 下の分泌腺としては、毛穴の出口周囲に存在する皮脂腺、真皮深層に存在するエクリン汗腺、皮下脂肪上層に存在するアポクリン汗腺があります。

Fig_99

 皮脂腺はお肌をバリアーする役割を担っており、お肌を保湿すると共に柔軟性を与えます。手のひらと足の裏を除いて、ほぼ全身に分布しています。
 エクリン汗腺は皮膚表面に直接開口しており、大量の水を分泌します。汗のほとんどはこのエクリン汗腺から分泌されるのです。全身に分布していますが、特に手のひらや腋の下、足の裏に多く分布しています。
 アポクリン汗腺は毛穴に開口しており、乳白色で粘り気のある分泌液を分泌します。思春期以降に増大・発達し、腋の下、生殖器周辺、外耳道に分布します。
  ワキガの臭い発生のメカニズムは、エクリン汗腺からの発汗から始まります。このとき腋の下が湿った状態になり、細菌が繁殖します。ここに毛穴から皮脂腺と アポクリン汗腺の分泌液が出てくると、繁殖した細菌が分解されます。この時に臭いが拡散し、特有の悪臭を放つようになるのです。
 このようにワキガは3種類の分泌腺が関係していますが、臭いの発生に最も大きく関係するのはアポクリン汗腺で、その次がエクリン汗腺、そして皮脂腺となります。そのためアポクリン汗腺とエクリン汗腺を切除するのが、最も効果的な治療法となります。

質問2
具体的にどのような治療方法があるのですか?

  ワキガ治療の方法としては、ボトックス等を注入する方法、吸引法、掻破法、レーザー法、超音波法など、様々な方法があります。多くの治療法は小さな切開創 で治療を行うことを目的としていますが、アポクリン汗腺を完全に取り除くのは簡単ではありません。小さな切開創ではアポクリン汗腺を直接見て切除すること ができないからです。
 そこで私がお薦めしているのが「反転剪除法」です。これは汗腺を直接見ながら専用のはさみで一つひとつ丁寧に切除していく方法なので、アポクリン汗腺とエクリン汗腺を確実に取り除くことができます。詳しい施術方法は「ワキガ治療のはなし」を参照してください。

質問3
治療後に再発することはありませんか?

 再発するか否かは、施術方法によって変わってきます。切開創が小さく盲目的な(直接目で見ることのない)方法では、汗腺を完全に取り除けないので、再発する可能性が高くなります。これに対して反転剪除法は確実に汗腺を取り除けるので、再発することはありません。

質問4
ワキガ手術は脱毛の効果もありますか?

 アポクリン汗腺は脇毛の毛根近くに存在しますので、汗腺を取り除くときに毛根も同時に取り除きます。そのため脱毛効果もあり、一石二鳥の施術だといえます。

質問5
傷跡はどのくらい残りますか?

  腋の下には数本のシワがありますが、反転剪除法ではこのシワに沿って切開し、丁寧に縫合しますので、傷跡はほとんど目立ちません。ただし術後1ヶ月間は、 ジョギングなどのような「腋の下に摩擦が起きる」動きを避けてください。これを守っていただければ傷跡の心配はありません。

質問6
他の病院で手術を受けたのですが、しばらくして再発してしまいました。このようなことは多いのでしょうか。

  質問3の回答でも申し上げましたが、施術方法によっては再発も十分考えられます。むしろ「中途半端な治療では必ず再発する」と考えた方がいいでしょう。施 術を受けられる前に十分なインフォームドコンセントを行い、納得のいくドクターから治療を受けてください。もちろん反転剪除法であれば、再発の心配はあり ません。

質問7
ワキガは遺伝するのですか?

 

「ワキガ治療のはなし」でもお話ししましたが、ワキガは遺伝性が高いものです。両親共にワキガであれば、その子供は約80%の確率でワキガになります。片方の親がワキガの場合には、ワキガになる確率は約50%になります。

質問8
自分がワキガかどうかを知りたいのですが。

 まずは下のチェックリストの各項目に対して「YES」「NO」「どちらともいえない」で回答してください。その後、「YES」を2点、「どちらともいえない」を1点、「NO」を0点として採点します。

Fig_100

 この採点結果が8点以上なら「要注意」、14点以上なら「ときどき人にイヤな思いをさせている可能性大」、18点以上なら「かなり強いワキガであっても不思議ではない」と考えられます。ぜひ一度お試しください。

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posted by コムロ美容外科 at 17:33 | ワキガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする