2009年02月24日

高濃度ビタミンC点滴療法でガン治療〜点滴療法研究会(1)

 去る2月22日、秋葉原コンベンションホールで行われた「点滴療法研究会 第11回実践セミナー 2009」に参加してきました。

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(セミナー資料の表紙)

 点滴療法研究会とは、最新のエビデンスに基づいた点滴療法を提供する医師・歯科医師を会員とするグループで、実 践セミナーではその具体的な療法や成果等が発表されます。第1回実践セミナーは昨年2月に開催されており、その後わずか1年の間に10回を超えるセミナー が催されています。

 点滴療法には様々な種類のものがありますが、いま最も注目されているのは、研究会会長でもある柳澤先生の「高濃度ビ タミンC点滴療法」でしょう。柳澤先生は元杏林大学教授で、現在は国際統合医療教育センター所長を務めていらっしゃいます。日本で初めて高濃度ビタミンC 療法を導入した先生として知られており、点滴療法に関して1万件を超える経験をお持ちです。そして高濃度ビタミンC点滴療法は米国国立衛生研究所 (NIH)や国立癌研究所(NCI)が注目しているものなのです。

 今回のセミナーでは複数の先生方が発表を行いましたが、私が最も興味を引かれたのも、やはり柳澤先生のセッションでした。そこで今回は、その概要を簡単に紹介しておきたいと思います。

  高濃度ビタミンC点滴療法とは、高濃度のビタミンCを点滴することでガンを治療するという、極めて画期的な療法です。現在は多くのガン治療に抗ガン剤が使 用されていますが、抗ガン剤は副作用が極めて大きく、患者の免疫力を低下させるため、ガンの進行を遅らせることができても、ガンを完治させるのは困難で す。これに対して高濃度ビタミンC療法は、副作用がほとんどなく、患者の免疫力を高める効果もあるため、ガンを完治できる可能性が高まります。また臓器の 摘出もないためQOL(クオリティ・オブ・ライフ)も向上します。まさに「理想的な化学療法」といっても過言ではないのです。

 実はビタ ミンCをガン患者に投与するという取り組みは、1970年代に始まっています。しかし当時は「ビタミンC10gを2ヶ月間経口投与する」という方法だった ため、投与量が少なすぎて効果が認められませんでした。実際「The New England Journal of Medicine」でも、1979年に「ビタミンCの大量投与は進行ガンに対して有益な効果はない」と記述されています。

 しかしその後 より大量のビタミンCを投与することで、ガン治療が可能であることが実証されました。投与量は最低でも1回あたり50g以上、最適な量や投与頻度はまだ明 確になっていないということなのですが、大腸ガン、肺ガン、膵臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、腎臓ガン、乳ガン、前立腺ガン、胃ガン、子宮ガン、悪性リンパ 腫、脳腫瘍、白血病、肝臓癌など、様々なガンを治療した実績があるといいます。

 それではなぜ高濃度ビタミンCでガンが治るのでしょうか。そのメカニズムもすでに解明されています。

  高濃度ビタミンCを点滴によって投与すると、血管内または血管外間質と呼ばれる場所で反応を起こし、過酸化水素を生成します。過酸化水素はガン細胞に選択 的に作用し、DNAの阻害、ミトコンドリアの阻害、ATP生成阻害、解糖系の阻害を引き起こします。これらの作用によってガン細胞を「細胞死」させるので す。ここで重要なのが「ガン細胞に選択的に作用する」という点です。他の健康な細胞には作用しないため、副作用が生じないというわけです。

 このように非常に魅力的な治療方法なのですが、実際の適用にはいくつかの注意点があります。

 まず第1に、喫煙者はこの療法の効果があまり期待できません。喫煙は体内の一酸化炭素濃度を高めるため、ビタミンCの効果を弱めてしまうからです。喫煙者にこの療法を適用するには、事前に禁煙していただく必要があります。

  また国産のビタミンC製剤は使用すべきではない、ということも指摘されていました。日本製のビタミンC製剤はナトリウム含有量が米国製の2倍近くあり、高 血圧症を引き起こすリスクが高まるからです。また防腐剤が添加されていない製剤を使用しなければならないのですが、国産製剤はすべて防腐剤が添加されてい ます。そのため高濃度ビタミンC療法で使用するビタミンC製剤は、米国産のものが適しているということです。

 この他にも、ビタミンC溶 液は必ず冷蔵庫に保管し点滴当日の朝に使用する分だけ室温に戻すこと、点滴前に「G6PD(グルコース6リン酸脱水素酵素)活性値」を確認すること、点滴 中は喉が渇くので飲水を自由に行わせること、最初は15g程度からスタートし回数を重ねる毎に投与量を増すことで血中ビタミンC濃度を治療濃度領域まで高 めること、等が注意点として挙げられていました。

 高濃度ビタミンC療法は、ガンの「予防」にも有効であろうという話も取り上げられてい ました。柳澤先生ご自身も、月に2回の頻度で25gのビタミンC点滴を行っているそうです。これに関してはまだエビデンスがないのですが、理論的には「超 早期治療」と位置づけられるということです。

 高濃度ビタミンC療法は国内ではまだ正式なガン治療法として承認されていません。抗ガン剤 メーカーや医療現場の抵抗もあると推測できるので、承認にはまだまだ時間がかかるでしょう。しかし海外ではすでに臨床試験も行われ、ガン治療を目的にした ビタミンC製剤の使用も、数多くのクリニックで行われています。私自身は非常に魅力的な治療法であると思っています。



posted by コムロ美容外科 at 17:41 | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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