2010年01月12日

韓国訪問・幹細胞活用の新たな可能性

 みなさま、あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。

 さて新年最初のエントリーは、2009年12月の韓国訪問のお話をしたいと思います。韓国は美容先進国であり、数多くの方が美容整形を受けられています。そのため新しい施術が生まれることも多いので、私は機会があれば韓国の最新状況を確認するため、彼の地を訪れるようにしているのです。 今回の主な訪問先は2箇所です。まず2007年6月の「韓国「Mediforman」訪問記」でもご紹介した、スンホ先生の「Mediforman」。スンホ先生にご紹介いただいた「イノポール-D」はすでに私のクリニックでも使用していますが、また新たに「パワーボール」という高分子支持体が完成したということなので、その内容を教えていただきました。これに関してはまた機会を見つけてご紹介したいと思います。

 今回の目玉はもうひとつの訪問先である「Regen Biotech」です。ここでジョセフ・キムさんというドクターにお会いし、幹細胞の抽出・培養を低コストで行う方法をお教えいただいたのです。

 幹細胞とは生物の発生における「幹」となる細胞です。複数系統の細胞に分化できる「多分化能」と、細胞分裂を経た後でも多分化能を維持できる「自己複製能」を併せ持っている点が、他の細胞と大きく異なります。幹細胞が2つの細胞に分裂すると、一方は別の種類の細胞に分化しますが、もう一方は元の幹細胞と同様に分化能を維持します。そのため発生の過程や体内の各器官を維持するプロセスで、細胞を供給する役割を担っています。

 その代表的な存在として知られているのが、受精卵から作られる胚性幹細胞(ES細胞)でしょう。ES細胞の研究はマスコミで取り上げられることも少なくないので、ご存じの方も多いと思います。しかし幹細胞はES細胞だけではなく、体内の各組織にも様々な形で存在します。実はこれらの幹細胞は、再生医療に活用できるのです。

 再生医療を応用した美容整形としては、バストアップの際に脂肪と血小板血漿(PRP)を混ぜて注入する方法がすでに行われています。この方法を使うと、血小板に含まれる成長因子によって、脂肪の定着率が飛躍的に向上します。しかしPRPを混ぜる手法が主流になっているのは、実は日本だけです。韓国のドクターにこの手法をお教えした時には大変喜ばれましたが、世界的な流れを見れば、主流は幹細胞を利用した施術だといえます。

 それではなぜ日本では、幹細胞を活用した施術が主流にならないのでしょうか。それは幹細胞の抽出・培養にコストがかかるからです。

 バストアップで使用する幹細胞は、施術を受けられる方の脂肪から抽出します。脂肪を遠心分離器にかけて分離すると、いちばん下の部分に幹細胞が集まります。これを培養して数を増やし、バストに注入する脂肪に混ぜて注入するわけです。幹細胞にダメージを与えることなく抽出・培養を行うには、これまでは高価で特殊な機械が必要でした。そのため1回のバストアップで、200〜300万円もの費用がかかっていたのです。

 しかしキム先生に教えていただいた方法を使えば、幹細胞の抽出・培養を簡単に行うことができます。これによって日本でも、幹細胞を利用したバストアップが、これまでより低料金で行える可能性が出てきました。

 ただし幹細胞とPRPのどちらが定着率向上の効果が高いのかは、現時点ではまだわかりません。今後症例を増やしながら、両者の効果を検証していきたいと考えています。

 幹細胞を利用したバストアップに興味のある方はぜひ一度、私どもコムロ美容形成クリニックグループにご相談ください。
posted by コムロ美容外科 at 16:00 | バスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする