2011年05月10日

眼瞼下垂:さらに進化した修正術(1)

 最近コムロ美容形成クリニックでは、眼瞼下垂の修正を行う患者様が増えています。上眼瞼に関する手術のうち、眼瞼下垂の修正は7割にも達しています。
 このうち半数強は初めて修正を行う方々なのですが、残りの半数弱は過去に他のクリニックで重瞼埋没法や眼瞼下垂の修正を受けており、その再手術を希望されている方々です。つまり最近では眼瞼下垂の修正術を受けて、後悔されている方が増えているのです。 そのひとつの背景には、手軽に修正を行える「眼瞼下垂埋没法」が広がっていることが挙げられます。また一部のクリニックでは保険診療で眼瞼下垂修正術を行うケースもあります。私のところで再手術を希望される方のほとんどは、過去にこのような修正術を受けた経験をお持ちです。
 眼瞼下垂の修正で後悔しないためには、修正術に関する正しい知識が必要です。「一般的に行われているから」「手軽だから」「安く済むから」といった理由で修正術を選択してしまうと、不満足な結果に終わるケースが少なくありません。
 そこで今回は、世の中で一般的に行われている2つの修正法をご紹介し、それぞれの問題点を指摘しておきたいと思います。

埋没法
 眼瞼下垂の原因は、上眼瞼を引っ張り上げる「眼瞼挙筋」が伸びてしまうことにあります。いわゆる、伸びきったパンツのゴム紐状態です。これを何らかの方法で短くするか引っ張り上げるというのが、眼瞼下垂修正術の基本的なアプローチです。
 埋没法はまぶたを切開せずに、まぶたの裏側から糸で眼瞼挙筋を固定して、眼瞼挙筋を引っ張り上げる方法です。メスを使わない「プチ整形」の一種で、手軽に行えるのが特徴です。実際この修正法を勧めているクリニックも多いようです。また「埋没法しかできない」ドクターも少なくありません。
 しかし埋没法には大きな問題点があります。それは糸を引っかけた部分に炎症が起こり、瘢痕化する危険性が高いことです。瘢痕とはいわゆる「傷痕」のことで、正常な組織が繊維化して機能を失ってしまうことを意味します。こうなると上まぶたの形が不自然になってしまいます。
さらに、私が再手術を行うとき、癒着や瘢痕を取り除く作業が伴うため、施術時間が延び、そして術後の腫れが生じます。 
私に言わせれば、眼瞼下垂の修正に埋没法を使うのは一種の「ごまかし」です。根本的な解決にならないだけではなく、大きなリスクがあります。

眼瞼挙筋短縮法
 メスを使った眼瞼下垂修正術で一般的なのは、伸びた眼瞼挙筋を一部切除し、短くした上で再び瞼板(まぶたの先端部分の軟骨)に縫合する方法です。これは数十年前から行われている施術であり、最近では保険診療の対象にもなっています。
 私も昔はこの方法で眼瞼下垂の修正を行っていましたが、10年くらい前から行わなくなりました。その理由は2つあります。
 まず第1に、眼瞼挙筋を切ってから縫合するため、筋肉の血流が一時的に阻害され、1〜2ヶ月ほどまぶたが腫れることがあるからです。切断された筋肉の血管は次第に再生されていきますが、血流が再開するまでに時間がかかるのです。
 第2の理由は、眼瞼挙筋をどの程度切り取るのかの判断が、簡単ではないことです。修正効果を上げるにはある程度の長さを切り取る必要がありますが、余り長く切り取りすぎるとまぶたが上がりすぎてしまい、ぎょろりとした目になってしまいます。多くの場合、施術後しばらくすると脆弱化した眼瞼挙筋が再び伸びていくため、施術直後にはちょっとだけ「ぎょろ目」になるように調整します。しかし施術後の眼瞼挙筋の伸び方には個人差があり、一生「ぎょろ目」のままというケースもあります。ある程度の経験を積めばうまくいくケースがありますが、思った通りに行かないケースをゼロにするのは難しいのです。

 このように、世の中で一般的に行われている眼瞼下垂修正法は、それぞれ問題点を抱えています。私はいずれの方法もお勧めしません。
 実は眼瞼下垂修正法は、この10年間で大きく進化しているのです。次回はこの「進化した眼瞼下垂修正法」をご紹介したいと思います。


posted by コムロ美容外科 at 16:00 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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