この施術では「アクアフィリング」というものを、乳腺と胸筋の間に注射器で注入します。アクアフィリングは98%の水と、2%のポリアミドで構成されています。ほとんどが水分であるため安全な上、注入後は体内の組織と水素結合してよく馴染みます。
豊胸のプチ整形としては以前からヒアルロン酸注入がありましたが、これをさらに進化させた施術だと言えます。ヒアルロン酸注入では乳房組織と薬剤の間に厚い膜ができ、若干の硬さを感じることがありますが、アクアフィリングは自然な柔らかさを実現できます。また持続期間もヒアルロン酸注入に比べ、3〜5倍長くなります。施術後に医療機関で乳がん検診を受けることもできますし、授乳も可能です。
施術の流れは以下の通りです。
1.カウンセリング
まず医師が患者様のご要望を伺い、術前術後のモニター写真を見ながら、ご希望のサイズを決めていただきます。
2.デザイン
バスト下のラインに注入部位のマーキングを行います。
3.麻酔
局所麻酔の他に、静脈麻酔を併用します。これによって痛みをほとんど感じることなく、ウトウトした状態で施術を受けられます。最小限の麻酔で施術を行うため、施術後は1時間程度お休みいただくだけで、入院することなくお帰りいただけます。
4.アクアフィリングの注入
マーキングしたラインから注射器を使って注入を行います。
5.バストチェック
最後に鏡を見ながら、形と大きさを確認していただきます。もう少し大きくしたい場合には、その場でさらにアクアフィリングを追加注入することも可能です。
施術時間は10〜20分程度。ダウンタイムはありません。とても手軽な施術ですが、これで約5年間持続します。
豊胸術はこれまで、人工乳腺、脂肪注入、ヒアルロン酸注入、脂肪+PRP注入と、時代と共に進化してきました。すでに人工乳腺はあまり行われなくなり、今後はアクアフィリング注入がヒアルロン酸注入に取って代わることになるでしょう。
しかし全ての豊胸術がアクアフィリング注入になるとは考えていません。脂肪+PRP注入は、アクアフィリングよりも大きなサイズを実現できる上、感触や形の自然さも遜色なく、効果は半永久的に続きます。しかもご自身の脂肪と血小板を使うので安全性も高く、脂肪吸引も同時に行えるので一石二鳥です。
長期にわたってより大きな効果を得たいのであれば脂肪+PRP注入、短時間で手軽にバストアップしたいのであればアクアフィリング注入。このような使い分けがよろしいのではないかと考えています。
なお注射器だけで行える手軽な施術ではありますが、バストの形を自然な形に整え、定着率を高めるには、高度な技術が必要です。必ず信頼できる医師にご相談されることをお薦めします。