フォトRFとは、光エネルギーと高周波エネルギーを組み合わせた美肌治療です。
以前は美肌治療といえば、レーザーやパルスライトを使う方法が主流でした。しかし東洋人の表皮には欧米人(白人)に比べてメラニンが多く存在するため、光エネルギーが表皮部分に吸収されてしまい、肝心の真皮部分にまでなかなか到達しません。効果を上げるには照射出力を高める必要があり、その結果、表皮にダメージを与えてしまうことが少なくありませんでした。
この問題を解決したのが、2006年11月に日本上陸を果たしたフォトRFなのです。
フォトRFの使い方は、大きく分けて3種類あります。表皮と真皮上層部に作用させるスキンリニューアル(フォトRF)、真皮全体に作用させるスキンタイトニング(フォトRFリファーム)、そして毛穴に作用させるフォトRF脱毛です。
まずスキンリニューアルを目的としたフォトRFは、500〜900nmの波長をもつ光エネルギーと、高周波(RF)エネルギーを組み合わせて照射します。また同時に皮膚温度モニターとペルチェ半導体(冷却素子)を組み合わせたコンタクトクーリング(冷却装置)を使い、皮膚の温度が一定以下に保たれるようコントロールします。
500〜900nmというのは、緑色〜黄色、赤、赤外線までを含む、かなり広い幅を持つ光です。この光はメラニン密度の高い表皮に対して熱を加え、ダメージを与えます。これによって色素斑の改善や美白効果をもたらします。
しかしこの光の多くは表皮で吸収されてしまい、真皮層に到達する頃にはかなり減衰しています。これを補完するのが高周波(RF)エネルギーです。RFエネルギーは表皮のメラニンにほとんど影響を受けることなく、真皮層まで到達します。
RFエネルギーが作用するメカニズムは、少しだけ複雑です。
まず最初に、出力を抑えたパルスライトを照射します。このエネルギーは真皮上層部の毛細血管に吸収され、少しだけ温度を上げます。その後RFエネルギーを照射すると、温度が少しだけ上がった真皮上層部にエネルギーが集中します。
実はRFエネルギーは電流として皮膚を流れるのですが、インピーダンス(電気抵抗)の低いところほど多くの電流が流れるという特性を持っています。インピーダンスは温度に左右されます。温度の高いところほどインピーダンスが低くなるのです。そのためRFエネルギーは温度の高い部分に集中し、さらに温度が上がっていくことになります。
真皮上層部の温度が上がると、熱ダメージが与えられます。熱ダメージを受けた組織は再生のために活性化し、コラーゲンが生成されます。これによって皮膚のハリが生まれ、小じわや毛穴拡大が改善されるのです。また真皮上層部の毛細血管にもダメージが与えられるため、赤ら顔も改善されます。
もちろん温度が上がりすぎると火傷や痛みの原因になるため、温度上昇を一定レベル以内に抑えなければなりません。そのコントロールを行うのがコンタクトクーリングであり、これによって安全性を確保しているのです。
以上がフォトRFによるスキンリニューアルのメカニズムです。
下の写真は施術例です。小じわや毛穴が目立たなくなっているのがわかります。
次回はフォトRFリファームのメカニズムを説明します。