2012年08月14日

フォトRF脱毛

 前回と前々回は、フォトRFによるスキンリニューアルとスキンタイトニングを取り上げましたが、今回は脱毛について説明します。

 美容のための脱毛は、これまで2回、大きな変化を遂げています。

 まず最初の変化は、針脱毛からレーザー脱毛への変化です。針脱毛とは電気針によって毛根を1つ1つ破壊していく施術であり、1990年代まではこれが主流でした。当然ながら手間と時間がかかり、痛みも伴います。しかし1996年にアメリカでレーザー脱毛が開発されてからは、レーザー脱毛が主流になっていきます。

 下はレーザー脱毛の原理を図に示したものです。

Fig2-1.jpg

 レーザー脱毛は、エネルギーが色素に吸収されやすいというレーザー光の特性を活かした施術方法です。一般に毛の色は皮膚に比べて濃いため、皮膚に照射されたレーザーのエネルギーの多くは毛に吸収されます。エネルギーを吸収した毛は熱を持ち、毛包(毛を取り囲む組織)周囲の温度を上昇させます。これによって毛を創り出す毛球部にダメージを与えて脱毛するわけです。

 実際の施術では、直径10mm程度の照射ヘッドを使い、1回の照射で照射スポットに含まれるすべての毛根に対し、同時にダメージを与えます。そのため針脱毛に比べ、短時間で数多くの毛根を処理できます。また痛みも針脱毛に比べて軽いため、画期的な施術として急速に広がっていったのです。

 しかしレーザー脱毛は、いくつかの問題も抱えていました。

(1)レーザーのエネルギーは、照射源からの距離に比例して減衰するため、皮膚の深いところにある毛球まで届きにくいこと。そのため十分な効果を得るためには照射エネルギーを上げなければならず、皮膚にダメージを与えるリスクがあった。

(2)色の薄い毛や産毛には、あまり効果が期待できないこと。

(3)日焼けした浅黒い肌の場合には、皮膚のメラニン色素にも多くのエネルギーが吸収されるため、火傷を負う危険性が高いこと。

(4)レーザー脱毛を行った後しばらくは日焼けができないこと。レーザーを当てた部分が日焼けによって脱色し、肌にまだら模様ができる危険性がある。

(5)妊娠中や生理中は女性ホルモンの分泌によって肌の状態が不安定になるため、この期間にレーザー脱毛を行うのは避けるべきであること。

(6)針脱毛に比べて軽いとはいえ、施術中の痛みがあること。これも、妊娠中にレーザー脱毛を避けるべき理由の1つに挙げられる。

 このようにレーザー脱毛は、旧来の針脱毛に比べて画期的ではあったものの、実際には制約の多い施術だったのです。

 これらの問題を解決したのが、フォトRF脱毛です。フォトRF自体はすでにかなり普及が進んでいますが、フォトRF脱毛は、いままさに普及が始まろうとしている施術であり、対応できるクリニックはまだそれほど多くありません。

レーザー脱毛からフォトRF脱毛へ。これが脱毛における第2の大きな変化です。

 下はフォトRF脱毛の原理を示した図です。

Fig2-2.jpg

 熱によって毛根を破壊する点はレーザー脱毛と同じですが、熱の作り方が大きく異なります。フォトRF脱毛では、光エネルギーは予熱のために使われる程度で、それほど重要な役割を担っていません。主役はあくまでも高周波(RF)エネルギーです。これが直接毛包に作用し、熱を生み出します。レーザー脱毛のように毛が発熱して毛包の温度を上げるのではなく、毛包そのものが熱を持つのです。

 なぜこのようなことが可能なのでしょうか。

 RFエネルギーはインピーダンスの低いところを流れて熱に変わることと、温度の高いところほどインピーダンスが低くなることは、前々回で説明しました。これに加えRFには、もう1つ興味深い特性があります。エネルギーの流れの途中にインピーダンスの高い場所(つまり高周波の通りにくい場所)があると、その周囲の温度上昇がより大きくなるということです。RFはインピーダンスの高いところを避けて通るため、その周辺のエネルギー密度が高くなるのです。そして毛には高周波を通しにくいという性質があるため、RFの通り道に毛が存在すると、その周辺にエネルギーが集中しやすくなるのです。

Fig2-3.jpg

 つまりフォトRF脱毛は原理的に、毛の周囲を選択的に温度上昇させます。この特性を活かすことで、皮膚にダメージを与えることなく、毛包周囲組織のみに熱ダメージを与えることが可能になったのです。

 またRFによる温度上昇が色素と関係ないことも重要なポイントです。この特性によって、皮膚のメラニン量や毛の色の濃さにかかわらず、脱毛効果が得られるようになったからです。つまり日焼けした肌でも施術でき、産毛や白髪にも効果があるということです。

 さらに、皮膚へのダメージが少ないため、痛みもほとんどありません。照射時間も短く、広範囲に照射しやすいのも大きな特長だといえます。

 なお最近ではエステサロンでもフォトRFによる脱毛を行うところが登場していますが、医療脱毛とエステには以下の表のような違いがあります。

Fig2-4.jpg

 基本的に医師の管理指導のもとでなければ、永久脱毛を可能にする高出力の機器を取り扱うことは、法律で禁止されています。そのためエステでは低出力の機器を使用することになり、発毛サイクルを遅らせるだけの効果しか期待できないのです。

 より高い効果を安全に得るためにも、ぜひエステではなく、医療脱毛が可能なクリニックを選択してください。
posted by コムロ美容外科 at 16:00 | 医療脱毛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月11日

脱毛最前線

前回は「フェイシャルケア最前線」ということで
「フォトRF」を取り上げました。
今回はその続きです。
前回もちょっとだけ触れていますが
「フォトRF」で脱毛もできるのです。

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posted by コムロ美容外科 at 14:37 | 医療脱毛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする