最近はフリーペーパーがさまざまな場所で配布されていて、女性に特化したものも増えています。このようなフリーペーパーを開くと、中には美容クリニックの広告やタイアップ記事が、たくさん掲載されています。コムロ美容外科も掲載をお願いされることがあるため、このようなフリーペーパーがクリニックに届くのですが、掲載されている他の広告を見ると、「これはまずいのではないか」と感じるのです。
その理由は、掲載されている施術の内容がヒアルロン酸注入やレーザー照射など、メスを使わない簡単な施術ばかりになっているということです。
このような簡単な施術は、以前は「美容内科」と呼ばれた時期もありましたが、現在では「美容皮膚科」というカテゴリーになっています。この種の施術のほとんどは、価格の安さを訴えてお客様を呼び込んでいるようなのですが、これが施術を受ける人にとって本当に良いことなのか、疑問を感じてしまうのです。
実際に多くのクリニックで、メスを使った施術が少なくなっているようです。コムロ美容外科は、他のクリニックのドクターが希望した場合には、施術の見学も受け入れているのですが、見学にいらっしゃる若いドクターの多くがメスを使った施術の経験に乏しく、彼ら自身も「このままでいいのか悩んでいる」と話しているのです。
また先日「ヨソで言わんとい亭」に出演した時も、一緒に出演した高須先生や南雲先生、半田先生と、「最近は外科手術を行うドクターが少なくなった」という点で、意見が一致しました。
メスを使った外科手術は高度な技術が必要になるため、簡単な施術に比べて当然ながら料金は高くなります。安くすむ施術でお客さまを呼び込んで、薄利多売で売上を上げていきたいという経営者の考え方も、理解できないわけではありません。しかし、そこに外科医としてのプライドはあるのでしょうか。お客さまのことを本気で考えた場合には、外科のテクニックを駆使した方がいいケースが、実は多いのです。
ヒアルロン酸注入やレーザー照射等の効果は、極めて限定的です。1回施術を行っても、その後毎年同様の施術を行う必要があります。つまり1回の施術の料金が安くても、その効果を維持させるには、継続的にコストを掛けなければならないのです。しかも十分な効果が得られないことも少なくありません。安物買いの銭失いになる危険性も高いと言えます。
これに対してメスを使った美容外科の施術は、確実に効果が得られ、しかもその効果が一生続きます。1回の施術料金が高く見えても、長期的には割安になることが多いのです。
アンチエイジングを目的にした場合には、美容皮膚科との差はさらに広がります。そもそも「若くできる」のは、外科手術しかありません。美容皮膚科の施術はほぼ「現状維持」の効果しか期待できないのに対し、美容外科の施術は皮膚の状態を「若い時に戻す」ことが可能です。若い時に戻った状態をスタートラインにし、その後ヒアルロン酸注入等を行えば、さらに大きな効果が得られます。
皆さまにお願いしたいのは、最近増えている「美容皮膚科」の施術を、「美容外科」の施術と混同しないでいただきたいということです。両者は大きく異なります。美容皮膚科の施術で思ったような効果が得られなかった時には、是非とも美容外科の施術を試してください。そしてできるなら、最初から美容外科も視野に入れて施術を選択していただきたいと思います。
そして外科医のスキルを持つドクターには、ぜひともその腕を振るってほしいと思います。プライドを持ってそのスキルを活かすことは、美容外科の未来をさらに広げ、最終的には施術を受ける方々の幸せにつながっていくのですから。